夏山合宿〜岩と雪の殿堂〜 ”剱岳”


                                       2012.8.3 室堂にて

 今年の夏山合宿ローテーションは、ロンドンオリンピック放送の日程と重なり、夜中
のTV中継で身体の調子が乱され、決して良い条件とは言い難いが、山は別物だ!など
と、自分に言い聞かせ野崎に向った。黒羽4人組は、和知車で伊藤宅に到着。

 野崎の夜半、暗い中で全員揃う。何と眼だけ異様に輝きみんなニコニコ顔。思いは北
アルプスに飛んでいる。伊藤・荒木車に分乗。東北道矢板ICから北関東道へ、上信越道
横川SAで休憩。次に妙高山麓リゾートで朝食。さらに北陸道に入り、有機SAでソフ
ト。「遥々遠くへ来たもんだぁ」の声が出る。これも若い運転手さんのお陰と、有難う
の心境です。

 北陸道立山ICで一般道へ降り、途中のコンビニで昼食を購入。富山地方鉄道終点の立
山駅駐車場に到着。既に満車状態で、南アルプスの仙流荘Pを思い出す。余り探す苦労
も無く、2台分のPスペースを確保。すかさず山支度。老いも若きも素早く完了。山の
会も捨てたもんじゃ無いね。山屋合格。
     
 会計の大野さんが、ケーブル・バス往復10人分素早く購入。配布。「無くさないよ
うに」との優しい言葉。年寄りにはジーンとくる。

 美女平からはバス。暫く乗って銘木立山杉を見る。風雪に耐えて何百年生きているそ
の様には、生命力には驚かされる。自分が育てている黒羽の八溝材の弱さはどうだ、が
気にかかる。

 バスは、弥陀ヶ原の天狗平付近。散在する湿原や池塘を眺めているうち、右の斜面が
低くなり、やがて奥大日の右に剱岳出現となる。

 室堂はバスの終点。ターミナルビル構内は新宿渋谷の地下デパを想起させるのに十分
で、観光客や山屋が行き来往来。

 立山名水の日陰で、コンビニ弁当昼食を済ませる。日差しも強いが風も強い。爽やか
さを感じつついよいよ登山の始まりだ。

 

 

 室堂平一帯は、自然石を敷き詰めた石畳状態でスニーカーの似合う路となり、山屋の
靴では可哀そうで強く踏めない感じである。右も左も高山の花たちが迎えてくれて嬉し
い。私の知り合いの日光の写真家は、「今年の花の多さは、この方初めてです。」と言
っていた。

 みくりが池温泉には、3日目にお世話になることから、登攀用以外の荷物をロッカー
に預け、幾分身軽になる。

 雷鳥沢を見下ろし、テン場目がけて階段を下る。色とりどりのテントを跨ぎ、浄土川
(称名滝上流)に掛る橋を渡ると雷鳥平だ。隊列を整え、暫時休憩となる。

 いよいよ、登山の世界。高度差約500mの登りはきついな。今回の俺は、加齢によ
る体力減。オリンピックの夜更かし。さらに夏バテ気味が重なって、隊列を乱す結果に
なって、誠に和知になってしまいました。心からお詫びいたします。

 老躯に鞭打ちなんとか登り切り、本日の登山終了点、剱御前小屋に到着できました。
ここは、別山乗越と言われ、別山(立山別山が正式)と剱御前峰とのコルにあたる場
所。小屋は小綺麗で、トイレ別棟。従業員の接客態度良し。予約の効果が充分の感。
CLの綿密な計画と大胆な実行に感謝の他ありません。


 
        それにしても、この景観はどうだ!!



正面に、鎧を纏った剱岳の威容。そして屏風のような立山。振り返れば箱庭のような室
堂平の小屋や路。手つかずの大日連山。空を見上げればその虚空は紺青。これでは明日
の好天は約束済だ。山荘の寝床は、黒羽山の会(トーハタケンクラブ)の専用となり、
快適な二夜を過ごさせてもらった。靴下と剱御前峰は、快適さに拍を付けた。

                              (和知特別寄稿)


黒羽山の会

 岩と雪の殿堂、憧れの劔岳、期待と不安がいり混じった中、天候にも恵まれ充実した
山行になりました。

第一日 8月3日(金)

 黒羽午前3時、野崎伊藤宅駐車場3時30分出発。東北道=北関東道=上信越道で横
川SA5時20分着小休止する。ここからの上信国境ではガスがわき、妙義山の岩峰、
浅間山、四阿山などは見えなかった。

 妙高SAに7時着、朝食をとる。妙高山、火打山が見える。上越JCTから北陸道に
入り、一路、富山を目指す。富山平野から劔・立山連峰はガスで見えない。

 立山ICで降り、コンビニで昼食を調達して、立山駅の駐車場に着く(9時50
分)、車がいっぱいだ。支度をしてすぐに出発する。

 
        立山駅               ケーブルカーにて美女平へ

 
     バスにて室堂へ             初めてみる剱岳(車窓から)
 
       室堂にて昼食タイム          これが富山名物「ますの押しずし」だ

 立山駅からは、ケーブルで美女平、そこから高原バスで室堂を目指す。途中、ブナ
平、称名の滝展望台あたりは、深いガスの中であったが、森林限界の弥陀ヶ原からは、
雲上に出て、快晴である。 天狗平からは、劔岳が大きく見え期待が高まる。すぐに室
堂に着き(11時30分)、昼食を摂る。

 
       みくりが池                   雷鳥沢のテン場

 
     雪渓をトラバース            チングルマは満開

 みくりが池で帰りの荷を預け、雷鳥沢へ下る(13時15分)。ここから標高差50
0m「劔御前」をめざして登る。足元はチングルマ、ミヤマダイコンソウ、ヨツバシオ
ガマなどのお花畑、眼を上げれば薬師岳、黒部五郎岳が見える。劔御前小屋に着くと正
面に劔岳と今まで見えなかった後立山連峰がみえる。

 
     立山(雄山)と浄土山の間に槍が・・・・  

                  夕日に映える剱岳

 小屋は、われわれパーティで一部屋確保でき、快適。夕食後、周りの山々が、夕映え
に映える。いつまでも眺めていられる。

 暮れ行きて 富山の海に西日落つ           蒼空

 

第二日 8月4日(土)

 
         出発               月がとってもきれいでした

 朝3時起床、劔御前小屋を3時50分にヘッドランプを点けて出発する。途中5箇所
雪渓をトラバースするが早朝のため、凍っていて緊張する。黒百合のコルの手前で御来
光となる。剣山荘まで下り朝食(5時20分着、40分発)。一服劔からは、前劔が大
きく立ちはだかり、威圧される。前劔の登りでは、鎖場、浮石の多いガレ場が現れ、
徐々に緊張が高まる。

 雪渓や ヘッドライトの列続く              秀雲

 
         日の出です            剱山荘の上で朝食タイム
 
       前剱目指して                 渋滞中

前劔は、先行パーティでいっぱいで通過(7時20分)。いよいよ核心部に入る。女性
陣が早々と下山してくる人に「カニの横ばいはどうでしたか?」と質問していて、かな
りの不安、緊張をもっているのが伺える。足元には、かなり多くの花が見られ、多少緊
張がほぐれる。

あこがれの 劔に向い 高まる我に 心静まれと 小さき花々      昌子

来るなと如く そそり立つ岩に 緊張の 我にほほえむ 花花花の声   昌子

 平蔵の頭、平蔵のコルへの鎖場から渋滞となる。待っていると、より緊張してくる。

 劔本峰へ最後の登りとなる「カニのたてばい」、トップの藤田先生が取り付きで見本
を見せくれる。カニのたてばいを過ぎたところでSさんが足をつり、「Sさんの腹ば
い」と冷やかされる。

 
        こんな鎖場も              カニのたてばい

 劔山頂に到着(9時40分)。下山への不安もあるが登頂できた喜びは大きい。今日
は360度の眺望で、遠く富士まで見える。藤田先生のもと山座同定を行う。東側は白
馬連峰から後立山連峰の五竜、鹿島槍、針の木、その遠方には北信の妙高連峰、高妻
山、その南には、四阿山、浅間山、南方には、立山、薬師、黒部五郎、笠ヶ岳、槍穂高
その奥に、乗鞍、木曽御岳、西には白山、北側は、八峰、劔北方稜線、毛勝三山、本当
に素晴らしい眺望だ。


                 剱岳山頂にて


              振り返れば立山 遠くに槍と穂高連峰が


          来年の合宿はこれだ!! 唐松〜五龍〜鹿島槍

 山頂で、「トーハタケン」は、他のパーティからも人気者だ。

 名残惜しいが10時20分に山頂を後にする。

 最難関の「カニの横ばい」にかかるが、かなりの待ち時間でより緊張感が高まる。各
自の思っていた「カニの横ばい」とは、どうだったのか?

この後も前剣まで緊張した鎖場が続く。

 黒光に輝く斑糲岩 ボルトに足を掛け ソット左上 此処は蟹の横這だ
                              トーハタケン

 
      カニのよこばい              前剱にてバンザイ!

やっと、前劔に戻り(12時20分)、緊張も和らぎ充実感が高まる。

 前劔からの下りの多くは、ガラ場で浮石が多いが先頭の藤田先生は、トントンといい
リズムで下っていき、後続から、「後ろを気にして!」の声がかかる。

 剣山荘で、水を補給、なんと無料なので明日の分まで補給する。

 
       剱山荘にて             剱御前小屋まではまだまだ遠いなぁ

 剣沢小屋を経由して劔御前小屋を目指すが、行動時間が12時間を超え、足が重い。
劔御前小屋には16時35分着。第一の目標を果たしビールで乾杯。

 

 

 
       夕食です                 次の日の朝食

第三日 8月5日(日)


              二日間お世話になった剱御前小屋

 今日は、朝食が6時30分と遅く、劔御前小屋7時5分発、別山に向う。北峰でガス
の切れるのを待ち記念写真。硯ヶ池では、人が歩くとプツプツと泡が出るので、皆で揃
ってジャンプ・・・。

 
    別山北峰にて剱とはお別れです          硯ヶ池 みんなでジャンプ!

真砂岳を経由して立山三山の一角の富士の折立めざし、今回最後の登り。このあたりか
ら、ガスが湧き出す。今回の最高峰・大汝山10時35分着。コンロでお湯を沸かしゆ
ったりと昼食をとる。

 
        大汝山                  雄山

 
      一等三角点               人ごみにはビックリです

 最後のピーク雄山(12時5分着)では、日曜日とあってかものすごい人、有志は雄
山神社を参拝。

 一の越までの下りは、大行列で数歩進み、しばらく休みと言った状態でコースタイム
の2倍かかる。

 一の越からは、石畳の道を淡々と下り、室堂山荘から今日の宿、みくりが池に向う。

 みくりが池温泉でゆっくりくつろぎ、山行の疲れを取り、汗を流す、豪華な夕食を摂
りながら、今回の山行を振り返り、充実した時を過ごす。

 
    みくりが池温泉のテラスにて             夕食

第四日 8月6日(月)

 
           朝食              みくりが池温泉
 今日は、下山日。宿を後にバスターミナルに向う。


               最後に立山にお別れです

 往路とは逆に、高原バス、ケーブルを乗り継ぎ、駐車場に向う。

 帰路は、希望もあり有峰湖経由とするが、残念ながら有峰湖から薬師岳方面の展望は
えられなかった。

 平湯、中の湯を経由、沢渡で去年の穂高で通った思い出の道に入る。

 松本ICからは、高速道を一路野崎を目指す。野崎5時15分着。

 長距離を運転して頂いた、伊藤さん、荒木さんに感謝いたします。有難うございまし
た。

(記 海津)

○夏山合宿山行記録
  • と き 平成24年8月3日(金)〜6日(月)
  • ところ 北アルプス 劔岳・立山
  • 参加者及び役割分担 伊藤(CL)、荒木(SL・撮影)、伊藤(撮影)、大野(会計)、海
              津(報告・記録)、鐘ヶ江、佐藤、藤田、屋代、和知(報告) 
                                 (10名)
  • コースタイム
第一日(8/3)
黒羽 = 野崎(CL挨拶)=矢板IC(東北道)=岩舟JCT(北関東道)
 3:00     3:30           3:50             4:20
高崎JCT(上信越道)=横川SA    = 妙高SA(朝食)=
 4:50              5:20〜5:35         7:00〜7:35 
上越JCT(北陸道)=有磯海SA=立山IC=コンビニ =立山駅駐車場
                 8:50〜9:05   9:10    9:20〜9:30   9:50〜10:05
−立山駅(ケーブルカー)=美女平(高原バス)= 室堂(昼食)
  10:10〜10:30          10:40〜10:50         11:30〜12:15
― みくりが池 ―  雷鳥山荘 ― 雷鳥沢 ― 剱御前小屋
   12:25〜12:40      12:50〜12:55  13:15〜13:20  15:15

(夕食17:45/就寝20時頃)

第二日(8/4)
 剱御前小屋(3:00起床)―黒百合のコル― 剱山荘上(朝食) ― 一服剱
  3:50                  5:00         5:20〜5:40          6:05〜6:10
前剱 ― 平蔵の頭  ― カニのたてばい取付き― 劔岳山頂(昼食)
7:20     8:10〜8:40      7:20               9:40〜10:20
―カニの横ばい取付き ― 前剱  ―  一服剱
  10:45             12:20〜12:40    13:45〜13:55
―剱山荘(水調達・トイレ休憩)―剱沢小屋    ―別山分岐―剱御前小屋
  14:15〜14:45              15:10〜15:20      16:00    16:05
(夕食18:30、就寝20時頃)

第三日(8/5)
剱御前小屋(6:30朝食)― 別山 ― 北峰  ― 別山 − 真砂岳
       7:05             7:40    7:50〜8:00    8:10    9:10〜9:20
―富士の折立―大汝休憩所―大汝山―大汝休憩所(昼食)―雄山
  10:15〜10:25 10:36      10:45   11:40          12:05〜12:25
― 一の越  ― 室堂山荘 ― みくりが池温泉小屋
  13:30〜13:40   14:20〜14:30   14:47
(夕食17:00)

第四日(8/6)
みくりが池温泉(朝食6:00バイキング)―室堂(高原バス)=美女平
     7:05                        7:15〜8:00     8:50〜9:00
(ケーブル)=立山―駐車場(有峰湖経由)=上宝道の駅(昼食)
          9:10   9:17〜9:25          11:55〜12:40
=松本IC=姨捨PA(上信越道・北関東道・東北道)=都賀・西方PA
  13:55    14:15〜14:30                      16:15〜16:25
=矢板IC=野崎=黒羽(解散)
  17:00   17:15 17:45
 
  • 決算報告
   1収入の部          490,000
      会費    45,000×10=450,000     
      予約金    2,000×10= 20,000
      高速代補助 10,000× 2= 20,000
   2.支出の部          489,900
      宿泊費   28,250×10=282,500
      ガソリン代  8,000×10= 80,000
      乗車券    4,190×10= 41,900
      高速代   10,550× 2= 21,100
      雑費             16,400
      返却分    4,800×10= 48,000
   3.残金 100円は会へ繰り入れました。 

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